「Zootopia」邦題:ズートピア
監督:リッチ・ムーア バイロン・ハワード 製作総指揮:ジョン・ラセター
声:ジェイソン・ベイトマン、ジェニファー・グッドウィン
日本未公開 日本公開予定日2016年4月23日
この映画は公開前の予告映像だった、白バックの初期の予告や、ナマケモノバージョンの予告などが、ことごとく私の興味をそそらなかったので、(特にナマケモノの予告動画はイラッとするだけで予告として逆効果だと思ったり。)観なくていいかなと公開前は思っていたのです。しかし映画サイトRottenの評価が批評家評価99% 観客評価96%(2016年3月12日現在)という高い評判だったため、気になって観に行ってみることにしました。
以下はネタバレを含む感想となります。物語後半のあらすじなどを含む記載なども有り、映画鑑賞時の楽しみを損なう可能性の有る内容も含まれていますので、自己責任で、ネタバレても大丈夫な方のみお進み下さい。
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以下ネタバレを含む感想です。
この映画はいわゆる相棒もの、バディムービーです。ズートピアの場合はウサギとキツネの男女コンビですが、2人でコンビを組んで事件に立ち向かうというストーリー展開は、個人的に私が好きなバディ作品の英ドラマ「シャーロック」や漫画「応天の門」などに通じるものがあります。そう言った一連のバディ作品が好きな方にはズートピアも楽しめるかと思います。
子供向けの話かと思いきや、人種差別や偏見など、主にアメリカ(アメリカに限った話ではないけれど)の抱える問題を色濃く反映したテーマになっています。従来のディズニー映画のように決して夢物語では無く、動物たちの都市で巻き起こる事件を描いた「ズートピア」は、私たちの社会の縮図を見ているような社会派作品だと思います。
根底に流れるテーマは重めではあるけれど、キャラクターデザインや舞台設定の色調は明るく、子供も楽しめる可愛らしい作品になっています。
主人公のウサギ、ジュディが上京してきて、壁が薄くて狭い安アパートに住む場面や、レトルト食品の中身がパッケージの写真とは裏腹にやたら小さかったりする場面が有り、世知辛い感じが現実の人間の生活と重なって妙にリアルです。
DWVで働くのがナマケモノ(超動作が遅い)というのが風刺が効いています。
この辺はアメリカ在住者じゃないと良く分からないと思いますが、日本の方に説明すると、DWVというのはアメリカで車の免許を発行するいわばお役所です。空気を読まないお役所仕事でめっちゃ待たされてイライラすることで有名な機関。ナマケモノに関しては、物語序盤で伏線を張っておいて、終盤にちょっとしたオチがあり、単なる使い捨ての脇役で済まさない所は小技が効いています。
後は、細かい所だとハムスターが萌えキャラでした。
ゴッドファーザーのパロディ?と思うようなシーンも有ります。
街中で販売されている海賊版DVDがディズニー作品の自己パロディーです。
ビルなどの都市デザインが可愛らしいのと、狐のニックの顔のデザインが良いです。
ラスト付近の展開は、詐欺師のキツネである演技派ニックの設定を上手く活かした展開になっている所がニクイ。
「2」に展開してきそうな気もしなくもないです。
以上です。
多様性を肯定した前向きな作品となっていて、明るい良作でした。
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